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SPA!という人が書いているブログのようなもの。主な内容は電波ですが、RPGツクールとか、ゲームの縛りプレイ(難度的なものではなく、嗜好的なもの)とか、やりたいことを適当に垂れ流しております。
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【ガンダムカードビルダー縛りプレイ】

 ルールはこちらを参照。
 
 スターターだけの貧弱なデッキ構成で、サブカ初心者狩りが横行するカオスな下士官戦線を戦い抜きます。(自分も初のジオンプレイとは言えサブカになるので、人のことをとやかくは言えませんが)
 チョアレにアムロやクリスが乗ってきたら、この企画は早々に潰れるわけですが……はたして。 

【死亡フラグ成立相手】
 バーナード・ワイズマン ← クリス/アレックス系MS
 ジーン ← アムロ/ガンダム(RX-78-2系)MS
 ジャン・リュック・デュバル ← リド・テキサン・天才・テネス・ギャリー・ロンコウ・ベア・デンさん(MSV組キャラ)

・第1戦目(2008/10/28)




【デッキ構成】





#艦長
 ジャン・リュック・デュバル

#隊長機 
 ジーン/ザクⅡFS型
 ザク・マシンガン/ザク・バズーカ/予備弾倉

#2番機
 バーナード・ワイズマン(ST)/ザクⅡ改
 試作ビーム・ライフル/シールド(ST)/ワイドレンジスコープ

#総コスト
 585/700



【所持カード】






#予備カード
 キャラクター(3/6)
  なし
 メカニック(2/5)
  なし
 ウェポン(4/10)
  なし
 カスタム(2/5)
  なし





***


 ジャン・リュック・デュバル少佐は苛立っていた。
「援軍は来ないのかね!この戦力ではどうにもならんぞ」
担当秘書官のシルヴィー・クロフォードは答えた。
「少佐!付近で新型機を評価中の第603技術試験隊が、救援に応じてくれるようです」
「到着までどれほどかかるのかね!」
 シルヴィーの伝えた時刻に、デュバル少佐は顔をしかめた。
「間に合うかどうか判らんものを当てにする余裕はない。支援火器を出せるだけ出せ!MS隊を援護する!」


***


 炸裂音が響いた。砲撃で近くの山肌が爆発したのだ。
「ジムの1機は大砲付きだ!新米、お前のセンサーで敵の場所を確認できるか?!」
 ジーン軍曹の通信が入り、バーニィは手元のコンソールを操作した。ミノフスキー粒子下の戦闘ではレーダー索敵性能は大幅に制限される。そのため、熱源や音紋、時には目視など、複合的な索敵方法が必要とされていた。バーニィの乗るザクⅡ改のセンサーには、どれほどの機能が備わっているか本人にもわからないが、少なくとも新型ということでジーン軍曹の『角付き』よりは精度が良いものらしい。
「前方の崖の上に2機です……うわっ!!」
 報告の途中で、ザクⅡ改の眼前の地面が大きく吹き飛んだ。衝撃がコックピットの中のバーニィにも伝わってくる。
「回避行動を取れ!次は誤差修正してくるぞ!」


 ひときわ大きな岩山の影にザク2機は隠れた。バーニィは汗ばむ手で操縦レバーを握り直すが、心臓の鼓動は止まらない。
「ジーン軍曹、こちらの武器が届きません」
 相手のMSは高台におり、それも砲撃戦用仕様だ。どう見ても不利な状況にバーニィは弱音を吐いた。
「へっ、相手が長物持ちの時はどうすれば良いか教えてもらわなかったか?」
「一気に距離を詰め、格闘戦に持ち込むのでありますか?」
「それ以外に方法があるのか。いいか新米、おまえは敵の注意を引き付けろ。その間に俺はこの山を迂回して、あの崖に近づく」
 ずいぶんと簡単に言ってくれるな、とバーニィは心の中で隊長を責め立てた。しかし『角付き』は自分の指示が絶対だと言わんばかりに、ブレードアンテナを雄々しく立てている。
「了解」
 バーニィは兵士なので、そう返答せざるを得なかった。

 
 ほどなくして軍曹からのコールが入り、バーニィは岩山の影から機体を走らせた。
 荒野にザクⅡ改の駆動が響く。直後に、警告。眼前の高台に2機のMSを視認したと同時に、砲撃を受けた。鋭い衝撃にバーニィは揺さぶられる。だが直撃は受けていない。
 モニターは敵目標のロックオンが完了したことを示している。試作ビーム・ライフルの照準を『大砲付き』に絞り込み、ザクⅡ改はトリガーを引いた。
 光跡はRGC-80『ジム・キャノン』の頭上を越えていった。そうそう当たるものでは無い。初弾を外したが、バーニィはさらに構わずライフルを放った。ビーム兵器と言えば連邦軍の十八番だが、やはり自分が撃たれる立場となるのは恐ろしいのだろうか、崖上のジム達は動きが鈍った。
 その隙をついて、ザクⅡ改は小さな丘に身を隠した。MS戦のサイズにしてはあまりに心もとない遮蔽物だったが、荒野の真ん中で棒立ちするよりはましだ。

「よし、そのままそこで抑えてろ!」
 軍曹からの通信が入る。態勢を立て直したジム・キャノンがザクⅡ改に向けて砲撃を加えてきた。地面が爆ぜ、バーニィの視界が遮られる。
「う、うわぁぁ!」
 ザクⅡ改の左腕に取り付けられていた、黄色の増加装甲が派手に吹き飛んだ。大砲付きではない方のジムが、ロケット・ランチャーを発射したのだ。
「軍曹、もう持ちません!」
 ザクⅡ改を守っていた丘は、砲撃によってあらかた削り取られていた。バーニィはフットペダルを深く蹴りこみ、スラスターを吹かして大きく回避行動を取る。この状態で敵の弾幕を受けると非常に危険なのだが、仕方がなかった。
 
 
 ジーン軍曹のザクⅡFSはジャンプし、一気に崖の上に躍り出た。ジム2機は、崖下のバーニィに集中砲火を続けている。
「うぉりゃぁ!!」
 気合と共にヒート・ホークが一閃した。ジム・キャノンは咄嗟に構えたシールドを割られ、大きくよろめいた。もう一機のジムは、ランチャーを捨て 100mmマシンガンを慌てて発射するが、ジーンは肩部シールドでこの掃射を難なく防ぎると、そのままタックルをしてジムを崖の向こう側に突き落とした。
 『角付き』はさらに振り向きざまに、ジム・キャノンに向かってマシンガンとバズーカを派手に乱射した。その弾はほとんど当たらなかったが、僚機をやられたショックからか、大砲付きのジムは、背を向けて崖から飛び降りていった。
「みすみす手柄を逃がすもんかよ!追うぞ!」
 バーニィにはとても上官の発する台詞とは思いたくなかった。しかしバーニィは兵士である。
「了解!」



 突き落とされたジムは、すぐに見つかった。崖下に仰向けになって倒れたままだった。機体は大破こそしていないものの、間接部からはスパークが発している。パイロットは気絶しているのか、あるいは落下の衝撃で絶命したのか、ジムは微動だにしない。
「大砲付きと、もう一機未確認のやつがいるはずだ!探せ!」
「軍曹殿はどうされるのでありますか」
「俺はこいつを始末する」
 
 バズーカを構えて、『角付き』は倒れたジムに歩み寄る。バーニィは息を呑んだ。そう、これはシミュレーションでも戦争ごっこでもないんだ。
だけど、これが戦争なのか。

 その時だった。ザクⅡFSの持っていたバズーカが、上空から何かに銃撃されて爆発したのだ。そして、一瞬の間を置いて、緑の影が舞い降りてきた。








 ジーン軍曹は驚きの叫びを上げる。
「……こ、こいつは!」
 倒れたジムの側に着地したMSは、バーニィもジーンも見たことの無い、新しい機体だった。
「新型!?」
 緑色ベースの装甲。アイカメラはジムタイプであったが、既存の連邦軍の機体とはまったく似つかわしくないフォルムだった。
 
「やってやる、いくら新型だからって!」
 『角付き』が猛然とダッシュし、ヒートホークを振りかぶった。『緑色』は、見たことの無い棹状の武器を構えている。すっと、『緑色』が半歩下がった。すると棹の先端で粒子状のビームが収束し、それは二股の槍の形状を模した。
「危ない、軍曹!」
 バーニィが叫ぶと同時に、二機は激突した。宙に何かが舞い、地面に突き刺さった。それはヒート・ホークだった。ザクの右腕は溶断され、『緑色』の足元に無残にも転がっている。ジーンの機体は、その突進の勢いを受け止められることなく、前のめりになって激しい音を立てながら大地に突っ伏した。

「軍曹!しっかりしてくだ……っ!」
 バーニィは通信を試みた。しかしすぐに自分が置かれた状況に気がつき、言葉を失った。
 『緑色』と、そしていつのまにか自機の後方に回り込んでいた『大砲付き』が、100mmマシンガンの銃口をバーニィの機体に向けて構えていた。
 

***
 

「動きが止まってたからな、狙うのは楽なモンだったぜ」
 バーニィたちの窮地を救ったのは、巨大な戦車型の機体だった。
「しかしこいつの直撃弾を喰らって、動けるMSがあるとはな」
 デメジエール・ソンネン少佐は、自分の搭乗していた機体の砲塔と、『緑色』が逃げていった方角の彼方を見比べて、訝しげな表情を浮かべた。試射のデータによれば、ザクの胸部装甲を貫通することも容易であったはずなのだ。
 
 
 雄々しき30サンチ砲がその牙をむいたのは、およそ10分ほど前のことだ。
 放たれたAPFSDS弾は敵の新型、『緑色』を直撃し、次弾はジム・キャノンをも襲った。その砲撃は惜しくも外れ、ジム・キャノンは肩部キャノンで果敢にも反撃してきた。しかし有効射程にはあまりに遠く、牽制にも程遠いあてずっぽうな射撃でしかなかった。
 再び立ち上がった『緑色』はその装甲を大きく剥離させていたが、駆動系に損傷はなかったようだ。隊長機らしきその新型は、射程面の不利を悟って撤退の合図を出したのか、2機のMSは背を向けてバーニアを吹かし飛び上がった。
 ソンネンは機動性の劣るジム・キャノンに狙いをつけた。相手が飛ぶことを予想し、既に次弾には対空榴弾を装填していた。敵がジャンプを行い、回避が取れなくなるところで、砲撃。近接信管が作動し、ジム・キャノンはばら撒かれた散弾を喰らい、空中で制御不能に陥った。そこにデュバル少佐が基地から搭乗してきたMS用大型輸送トレーラー『サムソン』の連装機関銃の掃射を受け、大砲付きのジムは頭から剥き出しの岩盤に激突、大破炎上したのだ。
 
 バーニィは死の恐怖と、そして突然の援護射撃に自分の成すべきことを忘れていた。あたかも傍観者のようにその戦闘をモニター越しに見ていた。自分がザクⅡ改のパイロットであることを思い出した頃には、『緑色』が2度目の着地をし、大きな岩山の向こうへと降り立ってしまうところだった。慌ててトリガーを絞るが、何も反応がない。計器の表示は、ビームの発射に必要なジェネレータ出力が、既に確保できないことを警告していた。

 ジーンに倒されたジムのコックピットはもぬけの空だった。恐らくパイロットは『緑色』が事前に救出していたのだろう。ジーン軍曹は、危険のない無人のMSを破壊しようとして、その結果『緑色』に遅れを取ったのだ。
 出世欲の強い隊長は、まだコックピットのなかで口から泡を吹いて気絶していた。
「FSをサムソンに収容する。FZ、初の実戦で疲れているだろうが手を貸してやってくれ」
 デュバルは新米の兵士に通信した。一呼吸置いて、力ない返答がザクⅡ改から返ってきた。
 

 『角付き』の復旧作業中、サムソン・トレーラーの中で、ザクⅡ改から転送された『緑色』のデータを確認しながらデュバル少佐は唸った。
「リアクティブ・アーマー付きだが、それを補うほどの高機動機か」

「やつら、どんどん新しいのを作ってきやがるな」
 サムソンの外から、ソンネン少佐が声をかけてきた。
「貴官のおかげで、大切な部下を失わずに済みました。援軍に感謝します」
 デュバルとソンネン、階級は一緒だが、ソンネンの馴れ馴れしい態度は多少気にかかった。しかし危険を顧みず、友軍を救ってくれたという揺ぎ無い事実に、感謝しなければいけない気持ちは強かった。

「いいってことさ、こっちもおかげでいいデータが取れた。技術屋たちも喜ぶだろうよ」
 そう言えば、この男の所属する隊も試験隊とか言っていた。
「この機体は……」
「モビルタンク。YMT-05『ヒルドルブ』だ」
 デュバルが質問し終わる前に、ソンネンが答えた。砂漠用迷彩に塗られたこの機体は、現在の戦車形態からモビル形態への変形機構を有している。搭乗員は一名で、見た目通りの巨大自走砲としての役割から対MS戦闘まで対応可能としている……などなど。
 ソンネン少佐はその機体の特性について誇らしげに解説した。デュバルは、試験隊の機密に抵触するのではないかと思ったが、あえて彼の解説を聞き流していた。

「見ただろう、こいつの性能を。マゼラの代わりに量産配備されればな、地上はジオンのものだ」
 果たして、今のジオンにこのような大型機を量産する余裕があるか。そもそも、このヒルドルブは戦車形態とモビル形態を十分に駆使して初めて真価を発揮する機体に思える。
 ただでさえ熟練兵士が少なくなり、バーナード・ワイズマン伍長のような促成栽培の兵士が前線に駆り出され、そして彼らが機体に慣熟するために必要な手間と時間を減らすために、ザクⅡ改に代表されるような『統合整備計画』の導入が始まっているである。操作を熟知しているベテランでなければ性能を十分に発揮できないような機体のコンセプトは、今となってはナンセンスであると感じざるを得なかった。
 しかし、デュバルは何も言えなかった。ソンネン少佐が『ヒルドルブ』に向ける眼差し。それは、デュバル自身が双眸の奥に秘めているものと同じ色をしていたからだ。

「では、俺は原隊に戻る。さっきから特務大尉の通信がうるさいんでね」
 
 デュバルはサムソンから降り、敬礼をして、荒野を駆けていくヒルドルブを見送った。
 孤高の狼は、やがて落日の中に染まって見えなくなった。

 デュバルは目を瞑り空を仰いだ。そうすると、彼の目蓋の裏には軌道上を疾る幻影が見えた。それは彼のMS乗りの魂そのものを体現するものであった。
 たとえ『ゴーストファイター』という道化のような扱いを受けようとも、目の奥に焼きつけている、あの蒼い機体で宇宙を駆ける機会があるのならば、それに殉じよう。
「同じような業を背負っているのだな」
 誰にも聞こえないよう、独りつぶやいた。






【戦闘結果】
#10月28日(於:テキサス・コロニー)

#1戦目 対戦相手
  ジム・ストライカー(指揮官用)
  ジム(ホワイト・ディンゴ隊仕様)
  ジム・キャノン
 対戦結果『敗北』

#未開封ピロー×1
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